ツールドつくば2010参戦記その3

連邦のモビルスーツは化け物かッ!
僕は連邦の白いヤツ、もとい昨年の40代覇者Sさんとデットヒートを繰り広げていた。上り坂はSさんの独壇場で僕はまったく着いていけない。パワーウェイトレシオ、そしてたぶん根性が違う。淡々としたペダリングに、少しずつだが確実に差を広げられる。ちなみにSさんのバイクは別に白くはない。


体重の違いが戦力の決定的な差ではないことを教えてやるッ!
純粋なヒルクライムではマイナスにしかならない脂肪だが、ここアップダウンを繰り返すスカイラインでは違う。登りで付けられた差を縮めるために、Sさんを追って下り坂に飛び込む。案の定少しずつだが差が縮まり、そして僕が先行する。本来なら少し休んで回復を図りたいところだが、そうしている間に勝負は終わってしまう。とにかくガンガンにペダルを踏む。登りでは絶対に勝てない。となれば唯一の勝機は下りで追いつき、そして追いかける気を無くすほど突き放す事だ。もちろんだが、僕のバイクも別に赤くはない。


下りで抜き、登りで抜き返されることを繰り返しながらスカイラインを突き進む。
まずい。残されたくだりはあとわずか。ここで突き放せなければ僕の負けだ。最後の下りを手前で前に出、ひたすらにペダルを踏み倒す。登りよりつらいんじゃないかという程踏んだ。そしてまたやって来た登り返しでちらりと後ろを確認する。


駄目だ。


差は10m程しか着いていない。ここからはもう登りしか残っていない。案の定、風返し峠の交差点にたどり着く前に逆転された。
くやしい。でももう踏む力が残っていない。
交差点を通過する時、


「furu8maさーん、がんばれーー!」


と路肩から声をかけて頂いた。でもその声に答えられない。ふがいない。
ここからが長く、とても長く感じた。あんまり長いのでループ坂を三回くらい回ってんじゃないかと思ったくらいだ。
あげくに竹芝ジャージな方にパスされた。めちゃくちゃ頑張って漕いでいるのがわかる。つらいのは僕だけじゃない。だけど着いていけない。


500mの直登りをなんとかやりすごし、ラスト500mに突入。今年もラストスパートはできず声援に背を押されながらなんとかゴールラインにたどり着いた。


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ゴール直後、息を切らせながらSさん、竹芝ジャージ(だったと思う)な方とガッチリ握手を交わした。特に竹芝ジャージな方が座り込んだままだったのが印象的だった。なんで僕は立っているんだ。立っている余裕があるんだ。自分の持っている力を出し切ることは難しい。でもそれができないと負けるのだ。


つくば山頂の売店で、ソフトクリームを買う。ついでに一緒にオンザーロードチームで出走したスーパー高校生のN君にもおごる。彼には将来ツールに出てもらって観戦ツアーに招待してもらわなければならない。



よっしーさんにも挨拶して写真を撮らせてもらった。残念ながら3位だったため、約束どおりケーキを買ったようだ。が、それよりも用意周到に準備された弁当ボックス(?)に目が行ったのは内緒だ。日頃の食べっぷりblogは嘘ではないらしい。



Sさんとはゴール後たくさん話をさせて頂いた。その中で実はお互いがそれぞれ昨年の年代別クラスの1位だった事を知った。昨年のタイムは1秒も違わない。通りでデットヒートになるわけだ。そして最後に着いていけなかった事が現在の実力差を現している。
聞けばSさんは平日はまったくお酒を飲まないそうだ。けして飲めないのではなく、意思の力でコントロールして飲まないのだ。負けた・・・と思った。
毎日自分に負けまくりな僕がかなうはずがない。
タイムは昨年より1分ほど遅い。そして体重も1kgほど重い。1kgは1分なのだ。でもこの1kgを減らすのが大変なのだ。


新しいバイクがほしいけど奥様の許可を取るのが大変だとか、たくさん話をした。とにかく有意義な時間だった。来年はまた年代別のクラスに戻るとおっしゃっていたけど、できればまた同じクラスで走りたいものだ。

帰りのバスは、NARUさんと一緒になった。今年は会えないかもと思っていたので、大変嬉しかった。こちらもバスの中で沢山話しをさせて頂いた。自転車から繋がる縁って素晴らしいと実感させて頂いた。


一年に一度の祭典。ツールドつくば。来年こそ30分を切ってやる。そして来年こそSさんに勝つ。勝ち負けがあるからレースは楽しい。
まだ終わったばかりだというのに、僕は来年の再戦に向け闘志をかきたてていた。


リザルト
エキスパートクラス:7位
タイム:31分08秒699




自転車部門で13位

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